Great Elephant Recently Imported from Overseas (Shinto hakurai no dai zô) / Yoshitoyo
新渡舶来之大象 歌川芳豊 1866年2月(MFAによる。文久三年は1863年)
“来ル弥生上旬より西両国廣小路におゐて興行”
“演義 聖代の德沢海外に溢れ異邦の珎物奇奇たる鳥獣時を選バす舶来せり そが中に今般新港横濱に舶来せる正眞活物の大象ハ中天竺馬爾加国ヒツペルゲンといへる大山の麓数千里の大原野に生ずる所の物にして歐邏巴葡萄呀国の人アルキウルといへる異人彼地に渡来して生捕きたり我神州に持渡れり 生じてより僅に三歳形象ハさながら泰岳のごとく鼻ハ将に梯(きざはし)?を見るに等し 力量千斤の?(かなへ?)を負 路を行こと三百餘里 夜は子に臥て寅に起 人語を聴分人心を推す 此霊獣や火を消 水をおさめ悪病を除き毒氣を退 一度これを見る人々七難を滅し七福を生ず 諸君氏薏(きそ)ふて一覧あるべし 文久三癸亥三月上旬 つばくらをなぶるや象の鼻ばしら 假名垣魯文 賛”
Hakurai Ōzō no ben / Yoshitoyo
舶来大象之辯 歌川芳豊 1863年
“夫世界の廣大無極なる造化の巧工憶説を以て量るべからず 大あれバ小あり九万里(くまんり)に翅(つばさ)をひろぐる鵬鳥(ばうちやう)の對語に蚊のまつ毛に巣を造(なす)蟭螟(むし)を出せり 今般西客我朝に渡来れる大象といつパ印度馬爾加国の大原野に生ずる物にして今歳僅か三年に充ず 然りと雖 形象長大力量千斤の重を負 抑象ハ三獣の一位にして宇宙諸獣の司たり 清浄を好んで濁りに染ず 能く人心に通じ人語を聴分 物に感じて必ず霊あり中奥蘭人一度此獣を本邦に持渡りしも今を去ること二百年 今年文久三癸亥三月上旬 或人洋人より彼の大象を購ひ得て東都西両国廣小路に観物場をひらき諸人をしてこれを見物せしむ 嗚乎古来今往奇中の奇を目前になすの倖僥 実に太平の餘德といふべく世にありがたきことならずや 扶桑稗官 假名垣魯文 誌”
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